Mr.Childrenのボーカルである桜井和寿は、慈善活動(チャリティー活動)に精力的であることでも知られています。
桜井さんが行ってきた慈善活動にはどのようなものがあるのでしょうか。年代順に彼の活動を振り返るとともに、
今月発表されたジャニーズへのチャリティーソング提供に至った経緯についても見ていきたいと思います。
もくじ
桜井和寿が行ってきた慈善活動
シーソーゲームの収益を阪神淡路大震災の被災者に寄付
Mr.Childrenとしての活動では、1995年にリリースされ、180万枚超の売上を記録した「シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~」の印税と売上の全額を、
同年に起こった阪神・淡路大震災への義援金として被災者に全て寄付しています。
25年前の話になりますが、この頃から桜井さんの社会貢献に対する関心の高さがあったことがわかりますね。
地雷撲滅のチャリティーユニット「N.M.L.」参加
桜井さんが参加したチャリティーユニットに、ミュージシャンの坂本龍一氏(YMO)が率いた地雷撲滅を訴えかけるチャリティー企画ユニット「N.M.L.」があります。
2001年に誕生したこのユニットからは、地球上から地雷をなくしたいという動機から生み出されたチャリティーソング、「ZERO LANDMINE」が発売され、
CDの売り上げは地雷除去のために全額寄付されました。
この曲は坂本龍一氏が作曲し、イギリスのシンガーソングライター、デヴィッド・シルヴィアン氏が作詞。
この曲を歌うアーティストには、桜井さんの他にも、DREAMS COME TRUE、CHARA等多くのアーティストが参加していました。
ap bankの慈善活動
桜井さんは、音楽プロデューサーの小林武史氏、そしてYMOの坂本龍一氏とともに拠出した資金をもとに、
2003年6月、環境保全活動等を行う「ap bank」という会社を設立しています。
代表理事は小林武史氏で、ap bankの「ap」は「Artists’ Power」のAPと「Alternative Power」のAPの2つの意味があり、
環境プロジェクトの融資など、持続可能な社会を目指す様々な活動を行っています。
※ちなみにap bankの活動時、桜井さんは「桜井和寿」ではなく「櫻井和寿」という名義を使用しています。違いについては下記の記事をご覧ください。
2014年1月にはap bankの活動の一環としてBank Bandを結成。
メンバーは櫻井和寿と小林武史で、他のメンバーは固定されておらず、彼らと親交の深いアーティストが活動の度ごとに参加する形になっています。
櫻井和寿はここでは作詞作曲はせず、ライブ活動を中心としたグループとして、楽曲は他アーティストからのカバーが多くなっています。
Bank Bandはap bankの活動の一環として音楽を楽しみながら環境問題境をより身近に考えることができる野外音楽イベント「ap bank fes」などのイベントを行い、
イベントの収益はap bankの融資や原資、活動資金、環境をはじめとするさまざまなプロジェクトの支援や推進のための資金としています。
また、Bank Bandから出したCDの売り上げや収益もap bankの活動資金や融資金として使われています。
ホワイトバンドプロジェクトに参加
2005年には、世界規模で展開された「グローバルな貧困根絶キャンペーン(G-CAP)」に始まる、
貧困撲滅キャンペーンの一つである「ホワイトバンドプロジェクト」にも参加しています。
G-CAPは、日本においては貧困撲滅の意思表示として手首に白い布など(ホワイトバンド)を巻き、メッセージを発信するといった「ホワイトバンドプロジェクト」が展開され、
特にアーティスト、タレント、スポーツ選手などの著名人が無償で「クリッキングフィルム」と呼ばれるCM(上の動画)に出演し、
ホワイトバンドを広める役を果たしたことで話題となり、その中の一人として桜井さんも加わっています。
動画の中で3秒に1回指を鳴らす(クリックする)シーンは「3秒に1人、貧困が原因で子供が亡くなっている」というメッセージを表しています。
これらの活動の結果、ホワイトバンドが国内で450万本売れ、
話題性やファッション性に惹かれて買った人も多かったとはいえ、世界の貧困やそれを生み出すしくみについて皆が考える機会になりました。
JAPAN UNITED with MUSICに参加
2012年にYMOの坂本龍一氏が発起人となり、音楽プロデューサーの小林武史氏がプロデュースするかたちでスタートした、
東日本大震災復興支援プロジェクトである「JAPAN UNITED with MUSIC」。
日本を代表する総勢30名のアーティストが無償でレコーディングに集い、
ザ・ビートルズの「All You Need Is Love」をカバーしたというもので、こちらにも桜井さんが参加しています。
同曲は2012年1月に配信がスタートし、3月7日にCD発売。
楽曲、原盤の利益はすべて震災で被災した子供たちを対象とした基金に寄付されました。
熊本地震復興支援のチャリティーオークションに参加
2016年11月に行われた熊本地震復興支援のチャリティーオークション「mudef Charity Market」に、著名人が商品を提供するというかたちで参加しており、
桜井さんもその中で、サイン入りのギターを提供しています。
上記画像のギターで、「”DISCOVERY” TOUR ’99」や「Concert Tour Q 2000~2001」などで実際に使用されていたギターだそうです。
ジャニーズにチャリティーソングを提供
2020年11月、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、ジャニーズのチャリティー活動として、
ジャニーズ事務所所属アーティスト全76人参加による期間限定ユニットである『Twenty★Twenty』が期間限定ユニットとして結成され、
そこに櫻井和寿が作詞・作曲を手掛けた楽曲「smile」をチャリティーソングとして提供することになり、ジャニーズへは初の楽曲提供ということで話題になりました。
「smile」にクレジットされた名義が本名の「櫻井和寿」であるため、
今回の「smile」はMr.Childrenとしてではなく、個人として楽曲を提供していることがわかります。
※「桜井和寿」と「櫻井和寿」の名義の違いについては下記の記事をご覧ください。
今回、プロデューサーを務める滝沢秀明氏によって、これまでにも長期に渡り精力的にチャリティー活動を行ってきた櫻井さんに制作を依頼されたとのこと。
滝沢さんと櫻井さんは、それぞれ下記のようなメッセージを寄せています
滝沢さん
「このプロジェクトに賛同して頂き、ジャニーズとしては初めてのコラボレーションになります櫻井和寿さんに依頼をさせて頂きました。
チャリティーに関して様々なご経験がある方なので、櫻井さんが作る楽曲の力、Twenty★Twentyの歌声でこの楽曲に命を吹き込む瞬間を皆様にお楽しみ頂ければと思います。」
櫻井さん
「このプロジェクトに、楽曲提供という形で参加できることを、とても光栄に思っております。
ジャニーズの皆さんがこの曲を歌ってくださることを前提としたからこそ、書けた歌詞があります。だけど忘れないで
[君の笑顔に逢える]
それだけで生きていける僕がいるジャニーズの皆さんほど、このフレーズを歌うにふさわしい方はいないと感じます。
大切な人の心や体が弱っている時、
その人の為に「美味しくなれ」「元気になれ」と、心を込めておにぎりを握るように歌う皆さんの姿を想像して書きました。
この歌を聴いた多くの人達が笑顔になることを願っています」
櫻井さんの楽曲提供は2011年リリースのSalyuの「青空」(この時は桜井和寿名義で提供)以来と珍しく、
またSalyuへの楽曲提供も「ap bank」の一環として結成したBank Bandでコラボした経験があることから楽曲提供が叶ったとのことで、
今回のジャニーズへの楽曲提供も、日本を元気にするためのチャリティー活動であるという点が櫻井さんの心を動かし、実現したのではないかと思います。
まとめ
これまで精力的に慈善活動に携わってきた桜井さん。
その活動は多岐にわたり、自身の楽曲の収益の寄付の他、様々なチャリティーイベントに積極的に参加したり、
さらには環境問題への取り組みのために会社の立ち上げにも参加されていました。
本名の「櫻井和寿」名義を使っていることからも、Mr.Childrenを離れ一個人としての活動も多く行っている様子がわかります。
それらの様々な経験があったことから、今回ジャニーズからチャリティーソングの楽曲提供の依頼を受けるということになったのだろうと思います。
これからの桜井さんの音楽活動、慈善活動にも期待しつつ、
彼の行動力を見て、社会のために、これからの未来のために私たちも何かできないかと考えさせられるように思います。