在宅ワークには詐欺求人もあり、怪しい求人情報とは、他に比べて明らかに高報酬、好条件の案件であることを前の記事でご紹介しました。
ではそんな求人情報に応募してみたらその先は一体どうなるのでしょうか?ここでは私が過去に実際に怪しい求人情報に応募した経験についてご紹介したいと思います。
もくじ
クラウドソーシングサイトからの詐欺求人
在宅ワーク探しに使用するクラウドソーシングサイトは一般的な求人サイトとは違い、求人募集主の会社名、住所などが記載されていないことが多く、求人募集主の情報が少なく信頼できる相手か分かりにくいところがあります。
そのため、載っている求人情報に怪しいものがあったり、求人募集主から怪しい求人情報を紹介されたりすることが起こり得るのです。
クラウドソーシングサイトの使用をきっかけに起こった、詐欺もどきの求人情報に応募した経緯を順を追ってご紹介したいと思います。
①クラウドソーシングサイトから外部サイトに誘導される
私はシュフティというクラウドソーシングサイトに登録し、そこからデータ入力の仕事に応募していました。
ある日求人情報主から連絡ボードというコメントのやりとりをする場所にコメントが来ていて、応募のお礼とともに、「添付のPDFファイルをご覧ください。」という記載とPDFへのリンクが貼られていました。
PDFを見ると、「今回募集していた仕事に関しては採用を見送りになりましたが、親会社の仕事をご案内させていただきます。在宅のお仕事で、こちらの方が高報酬でスマホのみの作業も可能です」といった内容の文章と、リンクが貼られていて、外部サイトに誘導されるようになっていました。
リンクをクリックすると簡単求人作成という無料で求人ページを作成できる求人サイトに飛び、「【簡単作業】未経験歓迎!広告・宣伝のためのデータ入力業務」という内容の求人情報が公開されていました。
仕事内容は、広告・宣伝のためのデータ入力と応募者からのメール等でのお問い合わせ対応で、データ入力やメールの文章内容はマニュアルや定型文が用意されており、誰でもできる仕事とのことでした。
応募条件については副業・WワークOK、未経験OK、学歴不問と誰でも申し込める旨が記載されており、月収額は10万円~100万円稼げるとのことでした。
会社名と勤務地の記載はされていましたが、ネットで調べてもその名前の企業ホームページや口コミは見当たりませんでした。そして検索した結果、他の求人サイトでも同様の求人募集をしていることがわかりました。
そして最後に企業理念についての文章が紹介されており、在宅ワークの応募しても採用されにくく、採用されても時給換算して低賃金になるという稼げない現状を述べた後、
「在宅ワークで安定した収入を得られる仕組みを作り、そのノウハウを伝え、在宅ワークで自分らしく生きる方を増やす」というものでした。
不審に思う点はあったものの、月収10万円以上稼げる報酬の高さと企業理念に惹かれ、試しに応募してみることにしました。
②LINEでのやり取り
求人フォームの方に名前やメールアドレスを入力し、その後送られてきたメールのリンクに飛んで選考フォームに入力し、応募しました。
選考フォームでLINEIDを入力したところ、LINEの方に連絡が来て、そこから先はLINEで担当者とやりとりをすることになりました。
まず動画を見せられ、そこでは従来のリモートワークが稼げない話を中心に、事業内容や仕事の心構えなどの話もちらっと説明がありました。
大まかに言うとSNSを使って集客し、広告・宣伝活動をする仕事のようです。
そしてZOOMのリモート合同説明会を予約し、詳しい話を聞くことになりました。
③合同説明会に参加
ZOOMでの合同説明会は、説明に使うPowerPointを共有画面で見ながら、説明者や各参加者の顔は見えない状態で行われました。
私の他にも5人くらいの参加者が同時に視聴していました。
説明会の内容は、まず次世代リモートワークの紹介として、個人事業主という働き方や、権利収入のメリットについて話を聞きました。
権利収入というのは労働収入のように働く時間によって収入を得るのではなく、例えば家賃収入や印税、配当のようなもので、自動的に収入を生み出す手段を手にすれば今後働かなくても収入が入ってくるという特徴・メリットがあります。
この権利収入のメリットをアピールするというのは他の詐欺まがいの求人でも使われている手口でしたので、注意が必要なポイントの一つになります。
次に仕事内容の内容を聞きました。ネット上での成果報酬型宣伝広告業とのことで、いわゆるアフィリエイトの仕事だそうです。
具体的な内容は、マニュアルに沿ってSNSに宣伝内容を発信・投稿し、集客するとのことでした。
ここまではデータ入力やコピペで完結する宣伝業務のような普通の仕事のように聞こえたので、やってみるのもアリかなと思っていたのですが、
次に、仕事をするためにお金を払う話が急に出てきて、これやっぱり詐欺かも?と疑い始めました。
なんでも、コミュニティオンライン上で教育やサポートを受けながらSNSアカウントなどの集客ツールを借りたりして仕事をするそうなのですが、
オンラインコミュニティに入るには、はじめに4万円~6万円払う必要があるとのことでした。
もちろん後から仕事をやることでその分は取り返せると謳っていましたが、仕事をする前にお金を払うというこの手の話は、やはり詐欺の可能性が高いと思います。
④報酬の仕組みがネズミ講のようなものだった
次に聞いた報酬の仕組みも怪しいもので、そのコミュニティに入ることを求人情報として広告に出し、人を勧誘することで報酬を獲得し、またその勧誘した人が同じように誰かを勧誘して得た報酬に応じても何割かの配当が出るという仕組みでした。
それらの報酬の仕組みはアフィリエイトボーナス、バイナリーボーナスと名前を付けられていましたが、
いわゆるネズミ講のような連鎖配当の仕組みと同じであり、この話聞いて一気に怪しいぞという思いが強くなりました。
そして今まさに自分が同じように勧誘されていることに気が付き、自分が誰かに同じ方法で勧誘をすることが仕事なのかと思うと、
これは怪しいしやりたい仕事内容ではないなと思い、応募を辞退することに決めました。
たとえ稼げる仕事だったとしても、こんな自分たちのコミュニティが稼ぐ目的だけの仕事では、社会のために必要な仕事でもなくやりがいが感じられないだろうなと思いました。
そしてネズミ講のような報酬の仕組みでは、入会できる人数には必ず限界がくるためいつか稼げなくなる可能性があるなど、様々な思いがあり辞退する方に気持ちが動きました。
後にネズミ講にあたる仕組みだったかどうか知るためにネズミ講について調べてみましたが、一応合法であるマルチ商法との違いは、実際にモノを扱っているかどうかで決まり、ネズミ講という方法は現在法律で禁止されているとのことでした。
今回応募した仕事は会員になるよう勧誘し、コミュニティに入るためのお金を集めるかたちで、
実際にモノの商品を扱っているわけではないので、マルチ商法ではなく、違法であるネズミ講の仕事であった可能性が高いと思われます。
自分が犯罪に加担する可能性があったことを考えると今でもゾッとします…。
このようにネズミ講かなと思うような怪しい仕事内容であると気付いた場合はすぐに辞退しておきましょう!!
⑤応募の辞退とその後
説明会終了後、担当者から話を聞いてどうでしたか?という内容のLINEが来ていたため、自分には向いていないと思うと伝え、LINE上でなるべく丁寧にお断りしておきました。
向こうは勧誘して報酬を得ることが狙いだと思うと、何か言われるのではないかと、断るのも少し怖かったですが、脅されたり暴言を吐かれたりといった問題が特に起こったりはせずに、辞退することができました。
その後少しして担当者だった人と同じ人物から、健康食品などを誰かに売るという、ネズミ講と似た仕組みのマルチ商法の別件の仕事に誘われることが一度ありましたが、
そちらも辞退すると、それ以降特に連絡が来ることはありませんでした。
また、私が利用していたシュフティというクラウドソーシングサイトの事務局からは、
今回のきっかけになった求人情報を載せていたアカウントについて、重大な利用規約違反行為をしており、外部サイトに誘導する仕事の勧誘は禁止ですので応じないようにという要請、また外部でのトラブルの責任は負いませんという内容の注意書きが来ていました。
その求人情報を載せていたアカウントは、違反行為による罰則を受けたのか、今ではシュフティを退会済みになっています。
そんなこんなで、クラウドソーシングサイトから外部サイトに誘導して仕事を依頼しているものは怪しい求人情報である可能性が高いということを今回の一件で実感しました。
まとめ
私が今回の体験で学んだ注意点をまとめてみました。
とりあえず、他と比べて好待遇すぎる仕事は見つけても無視しておけば、詐欺にひっかかることはまずないと思います。
好待遇の求人情報は非常に魅力的ですし、様々な謳い文句でこちらを誘ってきますが、
簡単に引っかからないよう心を強く持ち、お金を稼ぐことは難しいということを常に忘れないようにしましょう。
※注意するべき点に関しては下の記事で解説しています。
その他の在宅ワーク詐欺の体験談については下記の記事をご覧ください。